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非可逆(Lossy)と可逆(Lossless)の違いを専門用語なしで解説

圧縮によって実際に何が削られるのか、なぜ普段はそれに気づかないのか、そして劣化が目に見える境界線について解説します。

可逆圧縮(ロスレス)は画像を完全に元通りに復元できるように保存するのに対し、非可逆圧縮(ロスシー)は人間の目が気づきにくい情報を永久に破棄します。 この決定的な違いがあるからこそ、写真は見た目を変えずにファイルサイズを10分の1に削減できる一方で、スクリーンショットに同じ手法を使うと失敗するのです。

非可逆圧縮の厄介な点は、劣化が蓄積することです。保存するたびに少しずつ情報が削られるため、JPEGを開いて再保存することを繰り返すと画質が劣化していきます。これはPNGを開くときには決して起こりません。可逆圧縮のマスターファイルを保管しておき、配信時には非可逆圧縮のコピーを書き出し、再編集が必要な場合はコピーからではなく必ずマスターから書き出すようにしましょう。

非可逆圧縮が実際に削除するもの

非可逆圧縮は、人間の視覚が捉えにくい微細なディテールや微妙な色の違いを取り除きます。 この処理は勘に頼るものではなく、人間の知覚限界の測定データに基づいています。

人間の目は、色の変化よりも明るさの変化に対してはるかに敏感です。そのため、JPEGは色の情報を低い解像度で保存し、明るさのディテールはそのまま維持します。また、このフォーマットは画像内の小さなブロック内の細かい質感を簡略化します。少し滑らかにされた芝生の領域は、データの消費を大幅に抑えつつ、見た目には芝生のままでいられるからです。

可逆圧縮の仕組み

可逆圧縮は、パターンを見つけてそれをより簡潔に表現する手法であり、何も破棄しません。 ファイルを復元すると、元の画像とバイト単位で完全に一致するピクセルが生成されます。

たとえば、400個の連続する白いピクセルは、400個の値を個別に記録するのではなく、1つの指示として記録できます。そのため、平坦な色は劇的に圧縮されますが、写真のノイズのようなランダムな情報はほとんど圧縮されません。PNGはこの仕組みで動作し、可逆モードのWebPや、ZIPアーカイブ内の圧縮も同様です。

各フォーマットの分類

フォーマットタイプ透過対応最適な用途
JPEG非可逆のみいいえ写真
PNG可逆のみはいスクリーンショット、ロゴ、図表
WebP両モード対応はいウェブ上のほぼすべての画像
AVIF両モード対応はい高画質な写真
HEIC非可逆(可逆も可能)はいスマホのカメラ保存用
GIF可逆(256色)はい(単一色)限定的(ほぼ移行済み)
BMP実質的に未圧縮制限あり現代では使用しない

WebPとAVIFは、どちらのモードも選択できるため非常に便利です。したがって、1つのフォーマットで写真とロゴの両方を適切に処理できます。これはJPEGやPNG単体では不可能なことです。

JPEGを繰り返し保存すると劣化する理由

非可逆圧縮での保存を繰り返すと、すでにディテールが失われた画像からさらにディテールが削られ、ダメージが蓄積していきます。 2回目の保存では、1回目で失われたものを復元することはできず、残されたものからさらに情報を削り取ります。

5〜6回繰り返すと、平坦な部分にブロック状のノイズが現れたり、輪郭の周りにモヤモヤしたノイズ(ハロー)が見えたりして、劣化が目立つようになります。この問題は、繰り返し共有される画像でよく発生します。メッセージアプリで何度も転送された写真は、誰かが編集する前にすでに4〜5回のエンコードを経ている可能性があるからです。常にオリジナルから作業することで、この問題を完全に回避できます。

非可逆圧縮が適している場合

  • ウェブサイト上の写真:サイズを70%削減しても、訪問者には違いがわかりません。
  • ECサイトの商品画像:ページの読み込み速度が売上に直接影響します。
  • アップロードフォーム用の写真:厳しい容量制限(KB)がある場合は、これ以外の選択肢はありません。
  • メールに添付する画像:スマートフォンで受信する際、1キロバイトでも軽い方が好まれます。
  • SNSへの投稿:どうせSNS側で自動的に再圧縮されるため、事前に軽量化しておくのが賢明です。

可逆圧縮が適している場合

  • マスターファイルやオリジナル画像:後で編集や再書き出しを行う予定があるもの。
  • スクリーンショットや図表:非可逆圧縮を使うと、くっきりした輪郭やテキストがにじんでしまいます。
  • ロゴやブランドアセット:他者に提供し、それぞれの素材で二次利用してもらうもの。
  • 医療、法律、学術用の画像:ピクセルの変化が重大な結果を招く可能性があるもの。
  • 透過処理を含む画像:エッジの透明度を正確に維持する必要があるもの。

「画質」設定の真実

画質の数値は、ディテールをどれだけアグレッシブに削るかを制御するものであり、何らかの絶対的な割合を示すものではありません。 画質50が「半分の画質」を意味するわけではありませんし、画質100が「可逆圧縮」を意味するわけでもありません。

この数値は、エンコーダーが画像の各ブロックをどれだけ簡略化するかを決定します。JPEGは画質100であっても情報を破棄するため、この設定はすべてを保存するのではなく、単に容量を無駄にするだけになってしまいます。フォーマットによってスケールの基準が異なるため、WebPの80やAVIFの60は、JPEGの85と同等の画質になります。

劣化を防ぐワークフローの構築方法

ライブラリ全体で劣化の蓄積を防ぐために、次の5つのルールを守りましょう。

  1. カメラのオリジナルデータやデザインファイルは、書き出し専用のフォルダに未編集のまま保管する。
  2. 編集は、配信用のJPEGではなく、可逆圧縮のコピーに対して行う。
  3. 配信用のコピーは、前回の書き出しファイルからではなく、常にマスターから書き出す。
  4. 配信フォーマットは用途に合わせて選択する。ウェブ用にはWebP、フォームやメール用にはJPGを使用する。
  5. 新しいサイズやフォーマットが必要になった場合は、再圧縮するのではなく、マスターから再書き出しする。

最も破られがちなのがルール3です。既存の書き出しファイルを再圧縮する方がその場では手軽ですが、それを行うたびに世代交代による劣化が加わっていきます。

ZIPファイルでJPEGが縮まない理由

JPEGファイルが入ったフォルダをZIPアーカイブに圧縮しても、画像自体がすでに圧縮されているため、容量はほとんど減りません。 200枚の写真が入ったZIPファイルは、通常、写真単体の合計サイズより1〜3%程度しか小さくなりません。

ZIPは可逆圧縮を適用し、データの重複を見つけることで機能しますが、非可逆エンコーダーはすでに利用可能な重複のほとんどを取り除いてしまっています。未圧縮のBMPファイルが入ったフォルダであれば、まだ何も処理されていないため劇的に縮みます。ZIPは容量削減のためではなく、複数のファイルを1つのダウンロードにまとめる利便性のために依然として有用です。

画像の圧縮度合いを見分ける方法

ファイルサイズとピクセル数を比較してください。写真で1ピクセルあたり1バイトを大幅に下回っている場合は、高度に圧縮されています。 たとえば、1000×1000ピクセルの写真で60 KBであればかなり圧縮されており、同じ画像で400 KBであればあまり圧縮されていません。

見るべきポイントを知っていれば、目視での確認も可能です。100%表示にズームして、平坦な部分にうっすらと四角い模様がないか、くっきりした輪郭の周りにモヤモヤがないかを確認します。これらのノイズは、どのツールで作成されたファイルであってもまったく同じ場所に現れるため、素早く確実に見分けることができます。

非可逆圧縮による劣化は修復できるか

いいえ、破棄されたディテールを復元することはできません。その情報はファイルのどこにも保存されていないからです。 劣化したJPEGをPNGに変換しても、同じ劣化を含んだままファイルサイズが大きくなるだけです。

一部の編集ツールにはJPEGのノイズを滑らかにする機能がありますが、これは劣化を隠しているだけであり、元に戻しているわけではありません。また、本物のディテールまで一緒にぼやけてしまいます。唯一の解決策は、元のファイルに戻ることです。これがマスターを保管しておくべき実用的な理由であり、カメラのオリジナルフォルダがディスク容量を消費するだけの価値がある理由です。

実際のツールでの表記

ソフトウェアが「非可逆」「可逆」という言葉を直接使うことは滅多になく、代わりに画質スライダーや書き出しプリセットが用意されています。 どのようなラベルが貼られているかよりも、自分がどちらを使っているかを理解することが重要です。

  • 画質スライダーがある場合は、フォーマット名に関わらず非可逆圧縮を意味します。
  • デザインソフトの「Web用に保存」は、設定された画質での非可逆書き出しを意味します。
  • 「PNGの最適化」または「PNG圧縮」は、色数を減らさない限り、可逆的な再構成を意味します。
  • 「PNG-8として書き出し」は、色数の削減(減色)を意味し、画像を永久に変化させます。
  • 「目標容量(KB)の指定」は、ファイルがそのサイズに収まるまでツールが自動的に画質を下げるため、常に非可逆圧縮になります。

ライブラリ全体に適切なモードを適用する

まず画像を「写真」と「グラフィック」に分類し、一方のグループには非可逆圧縮を、もう一方には可逆圧縮を適用します。 混在したフォルダを1つの設定で処理すると、必ずどちらか半分の画像が台無しになります。

最大500個のファイルを一度にドロップし、そのグループの画質とフォーマットを設定して処理し、もう一方のグループは別途処理します。すべての処理はお使いのブラウザ内(ご自身のプロセッサ上)で実行されるため、マスターファイル、クライアントの仕事、未公開のデザインなどがサーバーに送信されることはありません。アップロードは行われないため、元のファイルはそのまま手元に残り、書き出されたファイルだけが新しく生成されます。

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